名前も知らない花を揺らす 車輪の風が 行き着く先を確かめたくなった 昼下がり 限られた時間を照らす 太陽に急がされて 頼まれてもないことで影を遠くへ 運んだ 疲れたら代わろうか 荷物を少し預けてみてよ 横並びの言葉が 言葉を掴んで長くなる なくしてきた僕らの未体験が 知らない景色に変わってきた またねの約束も結べてない ワンシーンを求めて 完成とは言えない未調整な 拙い作りの世界地図 縁石のない道を知る旅で 瓶詰めの風景に空ができた 日々の視線を釘付けにした段差を 越えて 吸い込んできた排気ガスはもう 空に溶ける 電波が届かない場所に作ってみた 足場は 有彩色の重さのせいでグラついてる 足がもつれる前に 気になる続きを離さないで 繰り返しがないのも どうせ不安にかられるけど 使い慣れたはずのおはようですら つれない気持ちを誘ってきた 増えた思い出の一つひとつに 絡まれて忙しい 手放しでも転がる時間の罠 一段飛ばしで無縁になる 今綺麗だと思える眺めが 明日も同じだなんて 言えなくても 瞳に映る青が世界で一番近くの空 塞ぎ込んだくらいじゃ眩しさから 目が離せない 壊してきた僕らの理想像が 割れない想いを残してきた 土砂降りの雨を降らす嵐に 涙を隠してきた 使い切った最後の願い事で 明日も向かい風に会える 偶然じゃない日々を手放して かえたいものだけは なくてもいい