手探りで掴み取った夢をかき消す 魔法の杖 東から出来上がった世界につま先を 描いていく 猫の毛が舞い踊った通りは 惚気話の雨 苦い豆の香りで僕らは現実に掃き 出される 水を飲んだ花瓶に何度も 袖をまくらされて どうやったって季節は 僕らに構いたがる あなたがいたんだよって証が今日も 埃をかぶらないで済むように 小さな羽根で願いに触れたら 心の隠し場所に風が吹いた 処理を間違えたライム誰かがいつか 説いた不味さ たわいない好奇心の顛末を語り 明かすラジオ 知るための高級紙と 記すための紙切れの差が 僕らの好きな物語の表紙に奇跡と 刻んだ 迷い込んだ 日差しに 未開の土地なりのシンパシー 逆らったって時間は僕らを 見放せない 同じ光を眺めた記憶が今日も とどまる歩みに呪いをかけた あなたにまつわる全ての愛は 傷跡のひとつまで未来だった 明かりが見えない夜に栞をさして あなたの知らない目次も増えた くたびれた本棚が溢れても まだ重ね続けてる 涙や笑顔で散らかしてきた日々が 誰かの支えになれますように 掠れることのない強い文字で ボロボロな背表紙に色を込めた