君が咲くと 私の泣き顔が咲くだろう 矛盾と言う名前の蕾が空に向かって 光を求めてしまった 季節外れの開花は突然だ 早咲きの桜だってテレビのニュース 番組で知った 少しだけ不安です この記憶もいつか春の陽炎のように 季節の香りを纏い浮かび消える 浅葱色の風が撫でるその髪も 君の横顔も 今はもう 私にとってあと数回の役目となる 桜なんて どうだって良いよ 早いとか遅いとか そういえば 君と喧嘩した冬に咲いていたのは ミスミソウ 走馬灯に流れるような時にはいつも 花が咲いていた 十七歳の 花が咲いていた その花は あまりに美しくて 私も花になってしまいたかった 君の涙の訳を知ってたとしたって 2人の秘密と笑って言うのだろう 私の今もきっと変わって 行くんだろう それは悲しい事じゃないはずなのに 季節を追い越した 君の影は記憶になる 街は春だ ゆりらゆりら落ちる花びら それは記憶のようでした 染み込むその愛は桜の色で溢れてる 風が吹いて きらり落ちる涙も乾き その花は枯れると気付いたんだ それならもう忘れないまま サヨナラをして君の街で生きるよ 星が流れても 私は独りで 眺め続けよう もう春になるね その花は 季節が巡って街を彩る その花は 春を知った