夏になればまた会えるなんて 言われてしまったせいで僕は 9月の終わりには絶望を 6月になれば切望を 反響する残像はまだ 僕の左に取り憑いてる 隣の空白は埋められない 消費期限はもう過ぎてしまった 君の言葉が忘れられない 君の事だけ忘れられないんだよ 僕はまだ分からない 真夏の中で待っている ただ君には会えたなら それだけでいいんだよ 茅蜩が今日も煩く鳴いている 冠柳咲く夜空横目に 耳を澄まして あぁもう知ってるよ 記述式の艶文じゃ 疑うことを覚えた君を もう騙る事はできない 蒼に染まっていた 無色透明とも言えるよ 同じ色同士でもう僕には未来と 区別ができなかったみたいだ 過去に蹂躙されてた 聞こえるのは暇ではないけど 退屈な日々の輪郭を彩った音だけ 君がまだ離れない 季節が僕を離さない ただまた君とあの角の公園 余熱残る錆びた遊具を揺らして 別れ際 君の言葉を掻き消した 夏の残響だけ残して 茅蜩はいつの間にか 啼き止んでいた