砂に霞む大地に訪れる朝 西の森へとつづく足跡を照らし出す 変わらない風景を信じていた頃 ここが世界のすべて 霧は深すぎるから 追い越されていた背(せい)の高さ 少し悔しくて笑うと あたしの知らないキミがいた どこか遠くを見つめ 赤い実を拾いあつめる 当たり前の毎日が 不意に手から零れる予感 飛び立つ鳥のように 廻る水車の音に 守られていた刻は堰き止められず あたしを置いていった 菩提樹に咲いた花の下で キミが指さした星空 何を願うのと聞けなくて 明日の天気を語る 旅立った あの鳥たちは 今はどこに眠るのか キミが遠くへと行ってしまう 不安を呑み込んで 吹き荒れる風の音でも 怯えないでいるために 羽ばたける鳥の行方を この瞳に映したい 乾く地の果て キミと行こう 蜃気楼の先へ