昏い空の果てに黒煙が上る 嘆きさえも焦がして 繰り返した夢と抜け落ちた過去を 繋ぐ破片合わせた 震える膝を抱いて見上げた星 乾く風が胸を鳴らしても 少年はまだ明日を知らないままで 閉ざすだけの夜を越える 消えかけた灯が揺れる度 ただ怖れた 護られた平穏に近付く その足音を 赤い毒を孕む熟れすぎた果実 刈り取られた残響 過ぎた刻を数え溜息をついた 寝苦しさを隠して 呼ばれた声に痛む記憶は 何故 小さな手も握り返せない 闇に紛れた影に追い縋るのは 触れることのできない傷 振り上げられた剣が運命を嬲る 止まっていた時間を動かすのは その真名(なまえ) [光射す] 標なき大地へ [イセルディア] ボクたちは旅立つ [いつの日か] 失くしてしまった 生きる意味を 遠い面影を もう一度 この手に―― 黎明の空跨ぐ月影 白く映る過去を振り解いて 少年は今 明日へ駆け出して行った 狂いそうな時代の砂を蹴って 変わらないのは 右手に掲げた誓い 命尽きる日まで ここに 振り下ろされた剣が運命を開く 止まっていた歴史を動かすのは その大志(おもい) 戦乱の地へと