さよなら味の飴が詰まる 過ぎた苦味は未だ喉の奥 少し癖のある髪で気付く ただ、あの頃の日々を思い出す 手を振る君の影が伸びる 川沿い並木道を遠ざかる 受け止めるはずの器もなく ただ溢れたままでペダルをこぐ 両の手にも 余るほどの 優しさを偽って手放せない きっと傷つけることを嫌って 分かりあえたフリして笑って このまま何処にも行けないな 今だけは素直でいられたら 上手くいくと思った 大体すぐにわかった いつものやつだと思っていた 上手く話せないのは鼻声のせいか それとも飲み過ぎたせいか 「ねえ出会った頃の話でもしよう」 そう言って笑うその横顔が 愛しいから 苦しくて 懐かしい 明け方の国道に跨ぐ 川沿い並木道ふたり歩く 君の指に幸せが光る いつしか飴は溶けて 朝がくる きっと傷つけることを嫌って 分かりあえたフリして笑って このまま何処にも行けないな 君だけに素直で居られたら 上手くいくと思った ずっと愛されてたいと願って 分かり合えた時には遅くて あの頃のままでいたかった 「さよなら」って言えたら変わるか な 静かに手を伸ばした