愛情の対価 熟れて腐った水槽 僕らは記憶に蝕まれる 愛憎も哀楽も 雄弁に僕を諭した 声が聞こえる 貴方がくれた猛毒に触れて 爛れた日々の中で生きていけるのか 全部全部消えるのに 澄んだ藍を覚えていたいの 情愛も残映もあの時の悼みも 消えない癒えないまま 生きていく 哀情の開花 肥えて廃って愁いて 僕らは記憶に呪われている 歳月も耄碌も 肝心なものは奪わない 哀を掬って どうして?覚えていたいの? 首絞めるのに? 解らないな 藍も哀も要らないくだらない 沈んで溢れて溺れてしまうなら 食う吐くの永遠も泡沫に消し去って バイバイ 夢で逢いましょう 燻んだ藍の水面を仰いで 腐った脳が揺らした感情 寵愛も追憶もハリボテでいいのに 流れたものを拒めないな ねえ全部全部消えるから 澄んだ藍を覚えていたいよ 「情愛も喪失もその胸に在るから」 なんて 解っている ねえ群青 燈が絶えようとも 泪咲いて 僕を枯らして 軋む心 体が重くてもいいよ いいよ だから 触れて