普段通りの帰り道 いつも通りに立ち止まる 赤いランプを眺めた 星の下 ちょっとだけ吹いた 風に誘われるように 遠回りをした いつかの声に響いた世界に 蓋をして音で洗い流した 氷が解けるその時まで あの部屋に帰りたくないから 脇道を抜ければ 見慣れていた街の 知らない姿が手を引っ張って 奥へと誘う 胸の中に突き刺さった とても小さな棘が じりじりと大きくなって痛む 広がる前にくどくなった砂糖と 飲み干してしまった いつかの声も響く言葉も 蓋をして音で洗い流した 傷を忘れるその時まで 暗闇に溶けていたいから