さぁ 夜の帷が降り 手探り弄りの始まり どれだけ絢爛に染めても愁いだけが 見え隠れ ちらり ただ可愛く鳴けば良い 雲雀の様に春を囀れば良い 「芽吹いた慕情は桜色」 なんて唄で餌を乞う哀れ 籠女 籠女 籠の中の鳥は 何時何時出やる? 夜明けの晩に鶴と亀が滑った 後ろの正面は野箆坊 嗚呼 削いだ心がぽつり もう おさらばえ… わっちだった人 ねぇ 綺麗になったでしょう? 何も無いもの… 嗚呼 痛みに咽び泣いて もう 声も涙も枯れた ねぇ 鏡越しに向かい合う わっちは何方様? 東の空が白く焼けるにはまだ早い 飾る絢爛 帷に呑まれ黒に染まる 一つ 二つ 三つ 四つ 刻む針の音 子守唄 脈を打つ欲の像 お話にならぬ 夜這事 脈打たぬ愛の臓 お話にならぬ 世迷言 嗚呼 削がれた心がぽつり もう 会えないの? わっちだった人 ねぇ 綺麗になった筈なのに 何処にも居ないもの… 嗚呼 痛みで吐き回した その全てがわっちでした ねぇ 鏡越しに向かい合う わっちは何方様? 嗚呼… 脈を打つ欲の像 お話にならぬ 夜這事 脈打たぬ愛の臓 お話にならぬ 世迷言 脈を乞う夢の想 お話にならぬ 絵空事 嗚呼 わっちを見つめないで 嗚呼 わっちを見初めないで 嗚呼 わっちを見透かさないで 甘えてしまうから… 良いの…? 嗚呼 主さんの眼奪うは 嗚呼 わっちか?それともわっち? 嗚呼 わっちを覗き込んで 憶の奥まで 嗚呼 わっちを見つめて欲しい 嗚呼 わっちに見惚れて欲しい 嗚呼 わっちを知り尽くして欲しい 臆の奥まで