光が差し込んでいた 引き寄せられた気がした 影を落としていなかった 見えなくなってやっと それが明滅している 見え透いた嘘に気づいていた 痛みを愛で塞いでいる でも決まっていたことなんてさ 届かないね、貴方が遠い 貴方が遠い、貴方が遠いんだ ねえ、背を向けて泣かないで ねえ、此処に居るから 暖かい光なら、まだ、 見えているから 遺った影が消えないのは 秘密が溶けたから 微睡む夜の片隅で 肩を竦めて瞼を閉じている 流した涙の跡が痛そうだ このままでいて 強くならなくて良い 生きている時間を 置いたまま転んでも 待っているよ、 僕だけが夏に残された 歩いていても着いてくる 残った影が、まだ、揺れているから 暖かい光なら、まだ、 見えているから 遺った影が消えないのは 春が降る頃は、まだ、 泣かないって決めてたから 遺った影に、涙を落として そこに光が差すんだ