プールの授業はいつも見学 初夏の日差しが反射する水面を 眩しそうに見てたまに顔にかかる 水のしぶきが 目元から笑顔に変え 給食の牛乳はバスケ 部のクラスメイトにあげ 誰よりも新品に近い教科書には 誰よりもたくさんの付箋が貼られ その本に挟んだしおりは 次開く為の道しるべだったはず 軽はずみに並べた言葉の重みすら 定型文 あたりさわりなく置きにいくことを 覚えるくらいには年を重ねた 悪かったね お葬式にも出れないで 「今日くらい帰ってこいよ」 という友人の留守番電話 年甲斐もなく どうしたいのかい 等身大の愛 に帳尻合わす 機嫌取りに徹して知らんぷり 死んだ証じゃなく 生きた証残す事 それつまり 死を越える生の爪痕 卒業アルバム 左上窓枠の群青は あの頃よりも青を増す 路上パフォーマンス する19、20才 「誰も オレについてこれるわけない」 「振り返らずにマイクだけ見てろ」 20年前のリリックが重み増す 意外と覚えている あそこだけあの頃のままだから あの青い窓からの眺めをたまに思う プールサイドで終える一生も 悪くない 最近特にそう思う 短いや長いは他人の感想 永遠に挟まれすれ違う一瞬 川辺に並んだ彼岸花の先 遠くあってぼやけてた死が ある日突然、隣に座ってた 翌朝はいつもより 優しくなれた気がした 年甲斐もなく どうしたいのかい 等身大の愛 に帳尻合わす 機嫌取りに徹して知らんぷり 死んだ証じゃなく生きた証残す事 それつまり 死を越える生の爪痕 卒業アルバム 左上窓枠の群青は あの頃よりも青を増す 朝霧と夕闇の間をいくつ重ねても その手前で何度も迷い行ったり 来たり 心の底に沈んでは浮かんだ あなたの生きた証だった わずかな明かりが照らした窓枠 からこぼれそうな群青 もう会えないのに 「さようなら」と言う事が出来ずに 絞り出した「ありがとう」 その言葉は別れを曖昧なままにし いくつも季節跨ぎ 時に目をそらし なぜ最後まで逆に言えなかった 「ありがとう」 というありふれた言葉を 群青はきっとモノクロの中でも群青 その背景に背負ったあなたも 年甲斐もなく どうしたいのかい 等身大の愛 に帳尻合わす 機嫌取りに徹して知らんぷり 死んだ証じゃなく生きた証残す事 それつまり 死を越える生の爪痕 卒業アルバム 左上窓枠の群青(あなた)は あの頃よりも青を増す