嗚呼 きっといつまでも 忘れられないような思い出は 退屈な僕達を 嘲笑うかのように宙を舞う ねえ いつか僕達は 跡形もなく消えてしまうから 老いが怖くていつも生き 急いでしまうんだ このままさ僕ら人生の 何もかもを忘れて笑い合って 弾ける水飛沫の音や 風に揺れる木々のゆらめき それだけがくだらないしがらみや 深い悲しみから解き放って 僕らの魂と身体を 自由にさせてくれるのさ 輝いた水面のきらめきを 君越しに見つめてはふと我に帰る 嗚呼 うだるような暑さ 思い立った君は止められない 「もし明日死ぬならば どこにだって行ける気がするんだ」 ねえ僕が手を引いて 君と一緒に飛び出したとして これが逃避行なら悪くはないかもな 本当はさ全部わかってる この楽園も全部幻だって 今日が終わればまたいつもの 日常が僕らを手招いてる それでもさ僕ら手を取って 何もかもを忘れて笑い合った それが何もない僕達の 精一杯の抵抗なんだ 僕らはさ真実の愛とか 大袈裟な夢や希望とかじゃなくて 今日という何でもない日を 共に過ごしたいだけなのさ 君が居た真夏のプールサイド 僕らが見ていたのはきっと白昼夢