雨の降る中、 ベランダに裸足で出てみた 床の温度と、私の体温 ここから私、ここから他所 分からなくなっていく 気づかないで気づかないで こことか他とか 知らないで 感じないで感じないで もうここにいないから 私、幽霊さん になりたいの タネも仕掛けもここにはない 私、幽霊さん になれたなら 金も時間も気にしない 部屋の寒さが、 「まったく愛らしい」なんてさ 濡れた足と、転がる孤独 多分私、もういないの はぁ、分かってる 春を吸って夏を吐いて 心と体が いやになって まるとばつで雲を描いて もう外が明るいな 私、幽霊さん になりたいの 別の何かになりたいの 私、幽霊さん になれたなら やっと自由なの 哀 ガラスみたいに綺麗に砕けたい 空っぽの愛が 弾けて 綺麗だな、眩しいな 私、幽霊さん にはなれないの