変わらないでって言った あの日の声 離さない手の平 熱を持った 体の中から鳴る音で 汗は走っていた 割れたガラス玉 雨上がりの空 風に揺れた花の名前なんて 知らない はみ出した想いが髪を撫でた 浮かれた夏の午後に かさなって逸らした僕たちと 渇いたアスファルト 飲み干したサイダーの中で笑った 僕らを写した藍色は 窓辺に落ちた光を喰み 空に吐いている 君が笑うこと 夏が終わること いつか忘れてしまう今日だって 「あのね、」 飼い慣らした鼓動が君に触れて 弾けてしまう前に 押し込めていたガラス玉 この夏を塞いだ 地平線に浮かぶ黒髪 暮れなずむ2人 うたう鳥たち 寂しさ残る手は離し 変わらないでいるから 溶けた氷菓が君を連れて 消えてしまうその前に 僕がなぞった鼻歌は 陽炎の中 はみ出した想いをここに置いて あなたが拾った時 舞い上がって弾けた花びらが この夏を繋いだ