水面に浮かぶ月を 綺麗ねって眺めている 足のつく深さで 分かり合ったつもりでいる 傷つかない距離は 心地良くて少し寂しいね 肌は触れていても ひとりぼっちの二人 答え合わせのように 傷痕を見せ合った 思いやったつもりで 虚像を押しつけた 暗号化された水底の声 無人の都市の信号機の青 海に隠した一滴の涙 溺れているか 自ら閉じた殻の中の甘い孤独に 聞こえているか すぐ隣で同じように溺れる声は 覚えているか 息の仕方を 開かずにいる貝は腐る 怖れているのか まだ柔らかな心を見せ合うのを 近づきすぎたせいで 失うのが怖くなって 壊さないように触れる 手つきはぎこちなくて これ以上潜ったら 元の二人には戻れないね 愛すべき弱さを持ち寄って あなたと息をしたい 知りたい