丑三つ時手前 片減りの待ち惚け 最高な悪趣味で 瞳孔だけが開いている 物騒な行進曲が 無限に湧いて飲み込まれる 重く重く引き摺られ 道なりに 現る深い霧 白黒 音を吸って 視界に橋名板 ふらり 世流に浮く 柳橋 丑三つ時手前 片減りの待ち惚け 最高な悪趣味が 狐様に懐いている 瓜二つの人影 眼を逸らせないまま 去らばに もう嫌々 一夜 草臥れ儲けで 詩を詠みかけ 呪った釘と混沌 外は表現上は明るみ そうだね 苦しいね 悲鳴の響き独占 冷たい水になったね 頭の入口だけは開いている 物騒な行進曲を 無限に湧かせ飲み込んでやろう 重く重く引き留めて 逃がさない 吐き出す深い霧 白黒 音を纏い 名に変え閉じ込められ くらり 世流 掠れる黒い夜味(やみ) 深々 人を吸って 異界の橋名板 ゆらり 世流に浮く 柳橋 聴こえる吐息が 細く細く 名を呼んでいる 逃れられない定を 刺した ふらり 世流に浮く 柳橋
