枯らした花 これで何回目 いつか君に 教わったんだ 「陽射しをいつも 絶やさないでね。」 部屋でイヤフォン外した瞬間の 氷みたいに鳴いた静寂が 永遠に続くような気がした 帰りに通る歩道橋 春の色した花がよく見えるなあ 頭の中散らかったまんまじゃ モザイクみたいだ 君の笑う顔はちゃんと これほど鮮明なのにさ 僕には感情なんかいらなかった 寂しさを知ってしまった 頭の奥でまだ 暖かくて止まないんだ その声が どうしようもない程に咲いた春 ひとりで歩いたってさ 降り積もる雪 今より輝かしかった そうだ あの日 確かに君が居た ああ 君は上手に笑えない顔で 言いたい事ひとつも言えなくて 陽の当たる場所 ただ怖がった 真夜中 灯りを消さないように 冬の残り香 抱き締めるように 手を握れたら よかったのかな いつもと同じ歩道橋 靴音が響く度 振り返った 散り始めてる春の残像 時間は無情だ 君の笑う顔もいつか 薄れていくんだろうか 僕らに感情なんか無かったなら 君はまだ太陽の下 胸を刻むような 痛みに襲われないまま 歩くんだ 「そしたら 笑えなくなっちゃうね。」って 君は笑うんだろうな 教室の隅っこで 誰にも聴こえないように 密やかに ふたり 世界を憎んでいた 僕には感情なんかいらなかった 愛しさを知ってしまった 枯らした日も また 君に照らしてほしかったな その声で そうだった 僕ら大嫌いな春 二人で歩いていたんだ 散る桜にさえ 気づかないくらいに鮮やかで 決して消えないように 胸に灯した色が輝いた そうだ今も 確かに君は居る ああ