夜風 迷子になっていく 話の続き 見つからなくなって ずっと前に 死んでしまった夜 何も言えないって 思い知るまま この街は もう長くはない 愛することも 許されなくなって 口を隠して笑う癖 あなたの声 ずっと張り付いたまま 傷んだフェンス がらり鳴く音色だけ 軽快に されど足音立てず 巧妙に 静寂だって麗しく 喜べると思うから 簡単に思い出す 繊麗な花に 縋るだけで 呼吸が色づくなら 愛したいと誓う 確かな想いを 削除したあの日も必然だ 明けぬ夜も 慣れた頃 これが永遠かもしれない 暗闇の道 ふらり嘯く ずっと前に 死んでしまった夜 歪な穴ばっか 胸に残して 消える電波塔 銀河鉄道 夢喰い あなたの顔が あの白い手が 思い出せない 冷めゆく心 尚 響く声 煩いなあ 畳むハードカバー 遠いイメージ その終着点 問うたとて 還る空 もうずっと曇り続き 軽薄に 蝶番 また軋み鳴いて 日々を打ちつけてくだろう まだ 冗談みたいに 壊れた花を 抱き締めて意味を宿すだけなら 情操を成す 幼気な顔を 憎めるほど 意志は脆弱だ あなたに似た 淡い花が 今でも ねえ胸を締め付けるのは その笑顔に救われたことを 確かめる抵抗のようだ 明けぬ夜と 紛う朝