午前7時、アラームが鳴る 知らない番号からの着信 「今日、 彼に別れを告げてください」 代行依頼書、3枚分の愛の歴史 カフェの隅っこ指定されて 服装は“清潔感ある感じで” メモの通りに台詞を覚え スタバ片手に、任務開始 「私の気持ち、もう冷めたの」 読み上げるだけのはずなのに 彼の表情、想定外 まるで映画のクライマックス お別れ代行の朝に なんでこんなに切なくなるの 知らない人の、知らない恋に なぜか涙が出そうになる お別れ代行の朝に 「幸せになってね」って言ったけど 本音はたぶん、私の方が 誰かに別れを告げられたい 3年付き合って、同棲半年 思い出の写真、捨てられず それでも直接は言えない 「傷つけたくないから」って 私は代弁者、でも代償者 気まずさも涙も請け負います 「人の感情は荷物です」 って言われたけど、それ重すぎ! 彼の「ありがとう」が刺さって 本当の恋みたいに胸が痛い 演技じゃないよ、これが現実 代行でも、人は人 お別れ代行の朝に いつもよりも空がまぶしくて 「またひとつ恋が終わった」って 誰が言えるほど強くない お別れ代行の朝に 報酬以上の感情が残る せめて幸せになりますように 他人の恋に願いをかけた 「代行です」と割り切れたら もっと楽だったのにね でも誰かの痛みを伝える役 いつも心、少し削れる お別れ代行の朝に 今日も誰かの涙を預かる だけど伝えたその言葉 きっと本人の声より優しかった お別れ代行の朝に ほんの少しの勇気と涙 「誰かの代わりに」を続けた先で 私は私と向き合うのかも