四月の風に怯えてる君と僕は いつか来る別れの時を予感してる それならばと夢中で向ける ファインダー越しの 君をもっとちゃんとこの二つの目で 見てたらなんて思うんだ 特別ってなんだろうな 特に風変わりしない日々を 特別と呼べぬとしたら なんて名前つけようか 明日には戻れない ゆらゆら舞う記憶は 思い起こす度にそっと 手のひらにひらひら あの温もりを連れて 都会の隅の駄菓子屋に並ぶ小学生 あの頃と 変わらない風景がこの目一杯に 広がった その駄菓子屋が潰れる 頃に僕はいるかい? 満たされることを覚えて空っぽを 忘れようとする 君のくしゃってなる笑顔は 君の好きだったこの景色は 僕の目で見た現実か ファインダー越しの幻想か その小さな後ろ姿 目に浮べるには大き過ぎて 仕方がないから 心のアルバムにしまうよ シャッターに集めた光が 今日は嫌に目に染みるな 熱を失ったカメラが 僕を睨んでいる もう遠い日のこと 何でもない 何でもない 何でもないよ 僕は君にとっての何でもないよ 吐き出した言葉には重みは無くて ただ沈むだけ 沈むだけ 何ともない 何ともない 何ともないよ 君がいなくたってもう何ともないよ 覗き込む心のファインダー 涙で何も見えんかった もう明日には戻れない ゆらゆら舞う記憶は 思い起こす度にそっと 手のひらにひらひら そして春風に運ばれて 二人が居たあの景色と この先に広がる日々を 辿っていつの日か 二人の手のひらに