平凡ないつかの授業中 窓際 午後15時 平生寡黙な僕が唸って倒れたなら 今日の授業は中止 クラスメイトは駆け寄って 校則一つ破れない僕を 意識するんだろう ただアイツみたいに 僕も安い芝居一つで 人の優しさに触れてみたい しょうもない日常を壊して 主役になる手段探して 閃いてしまった 努力も才能も要らないtragedy 虚弱なフリで身体を張って 椅子を倒して苦しむだけ 誰かが僕の名前を呼ぶ度 心満たされていく 辛い 痛い 口にする度 僕は初めて主役になった 酷く気持ちがいいこと 知ってしまったんだ あの時から身体に 爆弾を抱えていることにした 名医も知らぬ医学書にも無い病を 貰った病名に価値は無い 自分で付けるからこそ、重い 先生が、僕らに点数を付けるように クラスメイトに自然と順位が 付くように しょうがないね だって僕には 君には無いハンディがあるんだもん 何とでも言えばいい 対等な試合はとうに放棄した 「可哀想ね」そんな言葉が 僕にとっちゃ快感なんだ もっと慰めて欲しくて また芝居を打った 無名の病に余命飾って ぬいぐるみのように抱いていたい この寂しさを全部 僕の代わりに喰らってほしくて 「死にたいや」 また口を衝いた 僕を主役にして 嗚呼 もっともっともっと 不幸にして頂戴 ありゃしない病名を翳して 癖になる程、イージーな人生 気づいてしまった 健康な僕に誰も興味はない ああ、そうか 本当の病は 嘘吐きな僕でした 苦しくもないが 涙が溢れて またチャイムが鳴った 辛い 痛い また口走る 主役のアイツが許せなくて もう二度と治らない また嘘を吐いた