いつかすれ違ったあの命運も 器用にほつれた只の糸 毎月のように俺はもう 襟足を刻むだけの日々 いつかすれ違ったあの盟友の 斜に構えた目が好きだった 毎晩のように吐き捨てる 胃酸に良く似た面の少年 惚れた腫れたの日々を只 三人称で綴るだけ それじゃあ当時の思い出も 佳作入賞程度の筋書きか 舞台上で怒鳴る音楽に暮れる日常は それなりの疲弊と情のロマンス 暮らしの常套句に 「あの人みたいに」と そう言っては夜に計る密葬 それでも失せぬ性根と 月給制のこの命に 強いられただけの日々は業のようだ 不信感と紛れて行く 惚れた腫れたの檻の中 押し引きの策を恥じている 逆恨み状の匙で只 企む脱走劇という筋書きか 伸びた前髪で見え辛くなった 嘘臭い本音が まぁ正常に絡まってる 脳天の隙間から 当時のあの子が大好きだった ポップミュージック 脱走犯Aの名前を拝借して暮らして 行こう あの子の事は忘れやしないよ あれはあれで素晴らしかった つまり「愛の下で拘束中」 常識と見紛う程 盛られた毒をひた齧るような アホらしさにもう気付いていたんだ