みずいろのシャツの裾 揺れる ひらひら もげた蝉の羽 ぽつんと それはまるで 過ぎ去ろうとしてた 一夏 よろこびを探したけど この心は何も感じなくて 哀しみはカナシミのまま かたちはなくて 音もたてずに からだのふかく 深く奥に そばにいてくれるだけで よかったのに 夏草は 密やかに萌え出す ゆらゆら 白い月灯りに 向かって それはまるで 感情を強く持った 一輪 目を瞑ると ゆるやかにほほえんでいるひと その向こうには眩暈がするくらい 鮮やかすぎる青 そして 橙色のガーベラ ふぅわりと 想い出の中に 根づいた また夏が来ても かわらないひとが しあわせでいられますように・・・ よろこびを探したけど この心は何も感じなくて 哀しみはカナシミのまま かたちはなくて 音もたてずに からだのふかく 深く奥に あなたに遇えて よかった あの花は あなたにとてもよく似ている。