いつも通り斜め前 あなたは目を逸らしたまま 残ったコーヒー飲み干して 言葉を選び始めた 頭ん中 全てをプロジェクターで 映し取って 解り合って なんてフィクションを まだ望んでしまう 話をしたってうつらうつら 正しい言葉ひとつ見つかんない そっと揺らいだその仕草が 胸をぎゅっと絞めた 訥々 吐いたあなたの声 「謝らないで」しか言えなかった そんな話に辿り着かない方法を 教えてよ 僅かに潤んだ目を伏せた それがあまりに痛かった 響く秒針 突き付けた 言葉 間違ってしまったこと 止まる空間 涸れたまま 此処に水を遣って頂戴な 差し支えなければ まだこのソファーに座って 話を聞いて 時間が経ったら 何も言えなくなる気がした 不意に紡いだその言葉 見えない傷口に触らないで 僕ら笑い合える理由が 欲しいだけなのにな 知ってしまったあなたの傷 知らない頃には戻らなかった 割ったグラスさえ直るような 言葉を 与えてよ 目を合わせたって その瞬きじゃ 伝えきれないこと 手に触れたって その温もりじゃ まだ足りないこと 僕らいつだって 紛い物の答えに縋って ただ知りたくて 知って欲しくて 壊せない壁を知る 話をしたってうつらうつら 正しい言葉ひとつ見つかんない そっと揺らいだその仕草が 胸をぎゅっと絞めた 訥々 吐いたあなたの声 「謝らないで」しか言えなかった そんな話に辿り着かない方法を 教えてよ あなたの置いた優しさが 他の何より痛かった