眠気眼 二輪車 待ち合わせ 君の声のトーンは 朝からじゃちょっときつい 「焦んなまだ始業には早すぎる。 言わんこちゃない、 汗まみれこれどうすんのさ。 そこへなおれ、 もっとしゃんとならないのか。」 弓張月は朝からも僕を覗く 「仕方ないよ、 季節が急かすだもん。」 「『だもん。』 てなんだ、 許すはずがないでしょ。」 道化がかったフリをして 本気の時は一人が似合うとか 思っているんだろうか じゃあどうしようもないよな そんな顔して 泣いたことはなかったろう かける言葉が見つからないのだよ 炎夏に蝉時雨 はたと気づく 飲む固唾もなく終わりを悟り 汗か涙かの区別も無しに ただ濡れていたいと思うのだよ 無様に喚き散らし鼻籠り 涙に暮れる今がある時に 誇らしく笑う日を待って生きている 来し方行く末を共にしよう 好きを好きと言える人であろう 気づいてこんな嘘取り立てるのは それがどうしたって叶わないと 思うからさ 切なくなってぐずつきながら 後ろ髪を引くような真似をする 訳ねぇだろうがなんでも 幸せであってね せめて誰よりも強く願わせろよ 甚く笑い合ってさよならを 一月経ちゃ多分梨の礫 それでいいと思えるほど僕等は 多分今を噛み締めて生きてる ってことにしとこうぜ でないとほら 振り返る理由を探すために 君の願わない僕がピクつき したり顔で下手を打つんだからさ 「君程下手くそに生きてる 人はいないよ」 「お前だろバカ」 「お人好し見てらんないわ」 「自己紹介終わった? じゃあ言わせてもらうが 僕に毒付き 悪態をつき 見限るフリが下手なんだよ もっと上手くやれよ 好きになっちゃうじゃないか」 かける言葉が見つからないのだと 思いに鍵をかけたはずなのに 酷く縮こまって濡れた頬に 嘘をつき続ける意味は何だ? かける言葉が幾つもあるからさ 無邪気に喚かせてと君に云う 飲む固唾もなく終わりを悟り 僕か私かの区別も無しに ただ触れていたいと願うのだよ 無様に喚き散らし鼻籠り 涙に暮れる今がある時に 誇らしく笑う日を僕等知っている 季節を今が跨いでいく半歩前で