ジー 蝉の声が近くで響いた ジー 目を凝らして 木漏れ日の先へ 息を潜めて ギュッと握り込んだ 虫網が空を舞う ジー 暑い日差し 帰り道 アイス ジー 今日はこっち 抜け道探そう 毎日新しくて 高鳴る胸のままで 裸足で駆ける日々だった 夏の日差し いつもの道 木陰の中 思い出した 置き去りのまま 失くしてた 懐かしい日の影を ジー いつからだろう 蝉がうるさいのは ジー このノイズにもう ワクワクしないよ いや しないんじゃなくて そうだ いつかどこかで 恥ずかしいからって 隠しちゃったんだ 夏の光 僕の影と もうひとつ はっきり作った 今も心のどこかにある 懐かしい日の影を 鮮やかに匂う風 晴れ渡る 空の壁 澄み切った 息をして 笑った 排ガスの臭う風 星の無い 空の黒 人混みで 息をして 笑った 笑った 夏の終わり 落ちた蝉を 悲しいと思えた遠い日 僕もいつか終えるのなら 声枯れるまで 鳴こう あの夏の日の残響 夏の日差し いつもの道 少し外れた その向こうの 知らない道が呼んでるよ 懐かしい日のように いつの間にか作り上げた 当たり前から手を離そう 今も心の中で響く 高鳴りは確かに僕のものだ 今も同じ鼓動