心の内に刻まれた 見渡す限りに咲く花 消えることのない傷痕を 大地に隠し 暗い影を落とし 鋭く光る牙に追われ 酷く慣れた手付き 悲鳴を上げても 夜空に輝く あの月はあの星は 何もくれない 心に何を突き刺せば また動き出せるのだろう 強く深く 抉り取られた 隙間に何が入るのだろう 鼓動 鳴く胸に刻まれる 刃 幾重にも重ねられ 木の葉の緑 赤く染める 命の飛沫 吐き出してゆく 脈は とうに止まり 息絶えた 私は土へと 白い骨の側で 小さな芽が出た 燦然と輝く かの国も かの人も 土の上 屍の上 朽ちる 屍に咲く花は 声を初めて上げたややと 等価 死にゆく自分を超え 聞けた産声 命の果てを紡いで 全てを繋ぐ地に 揺らめく 屍の花 新しい 次の私になる 心の内に刻まれた 私の意志を捧げよう これは繰り返す物語 幾千の死を超え 今生きる 尽きぬ 屍に咲く花が 種を作り 辺りに散った どうか また花開くように 世界一面に 今咲き誇れ