拝啓 初涼に声が響く折 透明白藍の雲に車窓は過ぎる 朝陽 煌めく夜のこと 泣き顔の為だけの魔法 街の底に色褪せてゆく遊び 歩き疲れた人を呼び止め 滴り落ちる露と消え 何処かで嬉々と叫ぶ阿呆に 笑い合えたならいいね 到底 利口に声をへし曲げて 投影 君の不条理に泣いている 醒めない正夢に淡い淡いキスを このまま終わりなど迎えたくない 憶えた外の世界に熱い抱擁を 与えるだけでもいいんだ 何処かで街を去ることも分かってる 汚れたスニーカ履いて 煙草咥えて 現 醒めていく嘘のよう のろり 失せてゆくターンテーブル 焦げた腹に色褪せてゆく青さに 深く深く息を吸い込む 滴り落ちた露 何処へ 産まれ落ちた冬と声 きっと笑い合えるならいいね