せめて あと一度(ひとたび) 最期(さいご)に 顔を見せて 別離(わかれ)を 告(つ)げる 台詞(ことば)は 彼岸(ひがん)に 捨(す)て逝(ゆ)く 責(せ)めて 狂愚(きょうぐ)の沙汰(さた) 歪(ゆが)んだ 愛(あい)の骸(むくろ) 我(わ)が身(み)は 罪(つみ)の 畳(たた)まり 泪(なみだ)は 嘘(うそ)になる 雪よ 白く 深く 他人(あだびと)を 皆(みな) 染(そ)めて 真黒(まくろ)に 爛(ただ)れるは 此(こ)の 手底(たなそこ) だけ もう 汚(よご)さなくていいの 貴方(あなた)の手には 取る可(べ)きものが 有るはず もう 背負(せお)わなくていいの 渾(すべ)て 預(あず)けて 奈落(ならく)への 道連(みちづ)れに 嗚呼(ああ) 虚空(そら)が 酷(ひど)く 蒼黒(あおぐろ)く見える 醜(みにく)き 此(こ)の身(み) 引き裂きたい 決して 私を 許さなくていいの 寧(むし)ろ 憎(にく)んで 生まれたことも 忘れて もう 放さなくていいの 繋(つな)いで 其(そ)の手 松蘿(しょうら)の契(ちぎ)りに 只(ただ) せめてもの 罪(つみ)ほろぼし