君は見た誰もいない路地裏で 大きめのスーツで気さくそうな まだ空には青みが 残ってる5時前のバイトの 帰りだった 走っていった影を捕まえるように 野良猫に取り憑いたその男は 目を離せば消えていた 君は息を潜めて 何もなかったかのように帰った それは幽霊 日が暮れて 境目が 消えていって わからない 彼は見たいつもより早い帰り 終点が近づくと乗客もまばら 向かいの席で 眠っている 制服の女の子 白い足を 不揃いな西日が舐めていく ただ何かが損なわれている ただ何かが損なわれている ドアが開いて誰かが乗り込む ドアが開いて乗り込んでくる ドアが開いて