雨の日に商店街を歩くと 2種類の人間がいることに気が付く 1人は後ろの人を刺さんばかり 傘の切っ先を突きまくってる人 もう1人は パントマイムみたいに傘を 体の手前で固定して歩いてる人だ 雨上がり 傘をたたみ 歩く人達は 皆等しく 何かに打ち勝ったような姿に見える 朝から晴れていた晴天 一度さっきまでどしゃぶりであった イメージで目を閉じ もう一度目を開けば 街の色彩は活気立ち 目ん玉に原色で飛び込んでくる どしゃぶりの中 2人がすれ違う 人2人 たやすく すれ違える距離も 傘はぶつかる 一方が真っ直ぐ手を伸ばし 傘を差し出すように空にかかげる その動作で 雨が横殴りに顔を打つ その雨をしのぐのは… 変わらん高さの傘の中 雨に濡れん顔を覗き込む 夕立ちの中 傘をささず 急ぐ人達は 皆等しく 夕立ちそのものであるように見える 「そのガム1個だけなんやったら 先行き」 子に順番をゆずるおばちゃん あれが 優しさの原石に思えてならない