ばあちゃんが亡くなった時 あの角から出てきそうやなって 話をして それこそ その角から出てこんはずがないほど 出てきそうに思いながら その角を見つめていた あれから6年 その角に ばあちゃんが出てきそうな気配は 一切消え それどころか どの角にもばあちゃんの気配を 感じず 日々はめまぐるしく過ぎる じいちゃんが死んだ日の話 じいちゃんが死んだってのに世界は 誰も欠けてないっつー顔で 太陽が照ってて それが俺には少々うらめしく もっぺん話変わるけど 三歳になった息子は 最近クラスのおともだちが 四歳の誕生日を迎え 自分も今四歳だとサバを読み 始めている いた人と いる人と 生きてきた人と 生きていた人と 出会えた人と たぶんもう会えない人 生まれた人と いなくなっても尚も生きている人