花吹雪 ハンカチをも飛ばして 駄菓子屋のような街にいる 日本の夏に咲く 万華鏡の硬貨と廻る入道雲を蹴って 座敷で見た幻 線香の残り香と 着物で燥いだ陶枕の猪鹿蝶 涼風が揺らす風鈴に充てられた勝負 こいこいなんてお呼びじゃないみた い 八月 一文には少女 乱れて散らした花札 菊の盃はまだまだ あかよろしでしょう 仏像の御相手はサイダー 月見で一杯も良いか 桐は扇風機の風で 少しだけ死にたがっている そのかすとたんを境内へ 金魚鉢で泳ぐ色が 仏壇に帰っては札へ乱反射 網戸から覗く誰かが笑っている 八月 一文には少女 乱れて散らした花札 菊の盃はまだまだ あかよろしでしょう 仏像の御相手はサイダー 月見で一杯も良いか 桐は扇風機の風で 少しだけ死にたがっている