三十六鱗、置き去り 路地に溺れてバス停まで 陶磁の酔いを首切り 剥製の到来で 夢を数えて少年 あの子ってさようなら? 作用なら… 三味線衣装は機械を並べて 幻想の彼方 残響は聞き取れないが 蝉時雨と 群青の歪な色と それらに喰われたような天体で 空観の夏 死んじまった街 暑中見舞いが舞う 鉄骨の気分はドレスメイカー あの子だって晴天に崩れて 空観の夏 謂わば狂言の向こう側 屋上ふわり 陸上の酒中花は 涼風に伏す 無人駅 滞る 一秒で あの子みたいに笑って 熱射病にうなされても それが良くて 線香の呼び鈴に尚 身を委ねて目を開けば 空観の夏 死んじまった街 暑中見舞いが舞う 鉄骨の気分はドレスメイカー あの子だって晴天に崩れて 空観の夏 謂わば狂言の向こう側 空観の夏 青い空だけになっていた 空観の夏 街は物悲しさを謳う 君が少し背伸びをしたって 空観の夏 一人だけの炎天下