食料瓶 住む 快晴から 僅かな飢餓を聞く あっち向いて影法師 こっち向いて袋小路 食料瓶 住む 快晴には 息絶えた同居人 網状になる街風が攫うまで 羽ばたいた模様には 列を成した幾何学を より多く複眼のようになんて 見えはしない 頬杖に見えない傷を残す 頬杖に見えない傷を残すから ちぎれた羽 あたし、昆虫採集の途中 アルコールに転がされたのは 生命かあの笑顔か? 無数の色 あたし、昆虫採集の人 展翅板に張り付けた 無垢で自身を飾るようでいる 局蹐 塗れては入道の叫ぶ 声 声 声 声 まで 流れ落ちては 瞬き一縷に汗を課す 錆びる鉄針の指先 ちぎれた羽 あたし、昆虫採集の途中 アルコールに転がされたのは 生命かあの笑顔か? 無数の色 あたし、昆虫採集の人 展翅板に張り付けた 無垢で自身を飾るように さざめく夏に 痛ましい程の昆虫採集を 盲愛すら仕舞いを掲げているような そんな季節 危うさまで含め昆虫採集の上 手元にある展翅板上の整然は 嘆くようでいる