「この星で最も青く美しいとされる 海を見渡せる土地。 その土地を代々統治する 地方領主の息子。 蒼を受け継ぎし者、ライザ。 誰よりもその景色を愛し、 その輝きに魅入られた青年。 日々蓄積されていく、 張り詰めた狂気の色」 蒼を受け継ぎし者 見据えるは美しい 何よりも青い海 彼方に舞う幻想 変わらないものがこんなに傍で 揺らめいているなら その奇跡にほんの少しでも 寄り添いたい ずっと蒼ざめた 光の海の中で たとえそれがどんな禁忌だとしても この手を穢すことさえ決して 厭わずに 蒼のため壊してゆけ! 「ライザとその妹達は、 その蒼を永遠に見ていたいと 願った。 そのために古の伝承に残る 不死の呪術に手を染めてしまう。 それは、 血の犧牲を伴う禁断の儀式。 力なく横たわる躯の先に、 求める永遠はあるのだろうか?」 澱みなく澄んだ音 響くのは夜明け前 どこまでも青い海 水面に舞う幻想 永遠にこの蒼と向き合って 生きていくためなら それ以外の全てを紅に 捨ててもいい ずっと蒼ざめた 光の海の中で たとえそれがどんな禁忌だとしても この手を穢すことさえ決して 厭わずに 蒼のため壊してゆけ! 「いつしかライザは不死のことなど 忘れ、ただ貪欲に血を求め続けた。 高揚する感情は紅に染まり、 蒼を受け継ぎし者の右手は、 今宵も血に煌く……」 いつか紅に 染まる意識の中で 澄んだ蒼の景色が形を変えてく 僕が見てたかった蒼とあの永遠は 沈む月のようにやがて姿を 消した…… 「次第に遠のいていく意識の中、 最後に瞳に映ったのは、 倒れふす二人の妹の姿。 血に呪われたライザの頬を伝う 涙の色もまた、 紅に彩られていた……」 『蒼は紅蓮に堕ちていく……』