病名は曖昧でも 確かに其処に在るの 夢よりも確かな これは、そうね、記憶の中の国 そうよ まだ覚えてる 焼けた人の匂いを ニヤつき浮かぶ様に 捻くれた口の中 心臓に針を打つんだ 愚かさは捨ててごらん 奇妙に変わりだすんだ 痛むかい? 心臓に針を打つんだ 愚かさは捨てていこう 理性を腐らせたなら 特別さ そうよ 大人になんてなれはしないから あのね先生 わからないの 私だけおかしいみたい 壊れているのはこの世界よ でもね先生 怖くないの 誰かが秘密を殺すけど 紅茶の味だけは覚えていられるから 涙の池の底 沈むネズミ横目に 老いた白ウサギ 逃げ惑うのは燃える花園 心臓に針を打つんだ 愚かさは捨ててごらん 奇妙に変わりだすんだ 痛むかい? 心臓に針を打つんだ 愚かさは捨てていこう 理性を腐らせたなら 特別さ あのね先生 わからないの 忘れる度 何故笑うの? 誰かとよく似た 汽笛が泣く でもね先生 怖くないの 現実を患うけれど 夜が来なくても 私は眠れるから 病名は何ですか? あのね先生 気付いたの 人は時に嘘を孕む 壊れているのはこの世界よ でもね先生 戻れないの 誰もが大人になるから 私の国はもう壊されたの だから先生 お別れよ 帰る場所なんて無いけど 迎えの汽車が 正気も攫っていくわ