エンドロールが沈む夜 波の随、呼吸を止めて (満たされていく) 揺れる空に泡が咲く もっと深く逃げようか 八月は 夜凪に融けて (満たされていく) 然らば、愛しき、面影よ 後悔はもっと どう在るべきか わからぬまま 恥じていく様で ねぇ憎んで 誰のせいか 解ってるんでしょう はらひらり 花弁が 落ちる様を見る どうせなら この身までも 道連れにしてくれたなら 「拝啓、君へ」 褪せていくネガフィルムは 笑ったままで (満たされていく) 僕は未だ溺れてる 出来の悪いキネマ 未完成 駄作のシナリオ (満たされていく) 然らば、愛しき、面影よ もう幾年 欠けたままで 情けなくも 死に損なえば 網膜の隅 探すばかり 何も無いのに はらひらり 人が枯れ 巡る様を見る まだ二人 あの日の中 取り残されたままなのに 陽炎に呑まれていく 人は何処へ 還るのだろう (満たされていく) 泡沫に君を映す 正体不明の熱病 残酷な程に綺麗な (満たされていく) 君の為の夏でした ー 拝啓、君へ。 元気でいますか。 僕を覚えてますか。 (満たされていく) これから逢いに行きます。 ずっと待たせてたけど 八月の 続きを撮ろう。 (満たされていく) 然らば、美しき、面影よ。 君に生きた僕でした。