片足だけで飛ぶ ビル街の囀りは 死期を絶えず 死期を絶えず撒き散らして 希薄な声で 一人言う物憂げは 微々たるもので 微々たるもんだった 夜の飢えを蝋で満たす カラスはまだ明け方を 疑心に噎せるせいで 泥濘の街中を二足歩行 影のまま 嫌悪まで逆光の上で 回るそんな夜に 最後まで泣き顔の下で 笑うそんな夜に 一瞬、綺麗な夢を見ても 賢明だらけの街に落ちて 痛いだけ 風を拾う頭巾の人 愛想を尽くしさらばを 耐え忍ぶ 月は見えない 次も見えないって 嫌悪まで逆光の上で 回るそんな夜に 最後まで泣き顔の下で 笑うそんな夜に 一瞬、綺麗な夢を見ても 賢明だらけの街に落ちて 痛いだけで 存在だらけに生きるようで 存在だらけの街に飽きて 死にたい夜のどよめきが 眉間を貫くみたいで 微々たる明るさも 白蘭の花のようです