青外線がぼくらをころして

歌詞

例えば団地は 廃墟に変わって、 面影 天使は 羽ばたき うたう その子と空との間の空白、 とてもただれて 思えたのです。 『身体に毒だよ、 架空の青外線。 浴びればプチプチ 溶けてしまうね。』 酸素に還って、 大気に還って だれかに吸われて 吐かれるのです。 見上げたら、青色。 ぼくらをころして 指先、つま先、 空気に溶け出す。 僕らは今すぐ あの日に還って、 手をつなぐ。走りだす。 無になって、踊る。 青すぎる空と、 入道雲と…。 団地の向日葵、 息ひそめ、二人。 ブロック塀を 飛び降りたら、 少年の頬は、微か綻ぶ。 例えばあなたは心が壊れて 面影なくして ぐちゃりと、笑う。 その子と僕との間の空白 埋め出す蝉時雨、 あのなつのまま ——見上げたら、青色、 とおい日のまぼろし。 熱気球、手を振り笑うきみ 今はもう わからない。 追いかけてた「本当」とか もしまた出会えたら 傷ついても 抱擁を 落ちてくる青色 ぼくらをころして からだが、きおくが、 空気に溶け出す。 僕らは、ようやく、 あの日に出会えて、 手をつなぐ。 走りだす。 無になって、踊る。 だからせめて 物語の中だけ。 だからせめて 美しい消滅を。