目を閉じて耳を塞ぐ 背を向けて夜が更ける 眩しさと耳鳴りに立ち向かう強さも なく 心配をよそに好き勝手まとめあげて 振り出しに戻る 今のわたしは 先のあなたは 30分前から15分おきにかけるアラー ム 立ち上がるのは毎日決まって最終時 刻の15分後 余裕をもって調べた乗車時間 急ぐのが好きじゃないから次の各駅 停車 給料日の2日後にはもう待ち遠しい 次の給料日 今月は支払いが少ないから少しだけ でも蓄えておこう せっかくの休みの日にやることなん て本当は腐るほどあるはずなのに 目が覚めたら外は薄暗くて なんだか1人でいるのは寂しいから 知り合いのやってる居酒屋、 パチンコ、スロットに現金投資 全部いつも通り 本当は変わらなきゃいけない でも間違ってるわけでもない ベクトルの違う欲求が頭の中を駆け 巡る たまには実家に帰って元気な姿を家 族に見せなきゃ 本当は会えないはずの爺ちゃんに夢 の中であって手を振って 婆ちゃんの笑顔は誰よりも上手に描 けそうなくらいハッキリと頭の中に 浮かぶのに 新しい冬服が欲しくなって街へ買い 物に出かける 打破しなければならないと薄っぺら い悩みとして抱えこみながら ひとつも頷けないわけではないと現 状にちょっとだけ満足もしてる だけどこのままじゃ今のわたしは 先のあなたは そんなことを考えながら今日も1分1 秒がいつも通り過ぎていく 誰も正しくないし誰も間違ってない なんて八方美人な言葉を振りかざし て 吐き捨てて デタラメな文字でノートに書き殴っ て こうやってまた今日という1日が終 わりを告げる ベッドの中でまばたきをすれば同じ ように明日が始まる だけどこのままじゃ今のわたしは 先のあなたは