そっと水辺にたたずむ鳥 さえずりも忘れて 森の彼方へ こぼれ落ちた 一握りの水 木の葉が拾い たった一人の世界 この空を望む 逃げ出した過去の彼方に 望む世界はあるの? 私だけの実 そっと唇合わせて食べる 私のありか(在処)は この果て 禁じられた果実を そっと 触れて 砕けた ふっと 後ろを振り返ると さえずりを忘れた 小鳥のメロデイー 空に浮かぶ 一握りの雲 黒く染まって たった一人のせかい(孤独) この森に話す 溶けてなくなる私の実 腕の中へと還る こぼれ落ちてく ため息の数 雨がかき消す 私のありか(在処)は この家 扉の向こう側で ガラスのように 砕けた 続くこの日々 私の楽園(理想郷)へと 回る回る 決して終わらない日を 逃げ出した過去の彼方に 望む世界はもう無く 私だけの実 そっと唇合わせて食べる 私のありか(在処)は この果て 禁じられた果実が 音を 立てず 砕けて 消える