シャンデリアみたいな 冬の星座が 龍岡城趾を 照らしている 望遠鏡の中 逆さの世界 瞬きの数 数えてみる ラベンダーの香 枯れた後にも 残されてゆく 淡い記録 千曲の流れ 水面映す フィルムネガの 白と黒を 駅前広場の ベンチの上で 誰かが忘れた 五線譜めく 鼓動のリズム ため息混ぜて 即興演奏 奏でてる プラネタリウムの ドーム越しに 見上げてみれば 蒼穹の海 洗濯物の影 揺れ動いて 星座の地図を 描き変える 天文台から 漏れる明かり 懐中時計の 針が示す まだ見ぬ夜明け 予感だけを 胸のポケット しまい込む
