生きるのが何か辛くなって 苦しさに咽喉笛を掻き切って それでも貴方が残ってる いつか貴方が死ぬのなら この鼓動をナイフで刳り貫いて 噛み砕いて仕舞えばいいわ 掃いて捨てる程有り余る人生 他に価値なんかないと あの月を絵の具で溶かして コップ一杯に満たして呉れないか 春の堕ちていく夜に 降るは五月雨 窓を伝う雫一つ 曇る硝子を引き裂いて落ちて 意地悪な貴方みたいね どうせ私も死ぬのなら この鼓動を貴方が掻っ攫って 意の儘にして仕舞えばいい 吐いて捨てる程矮小な畢生 犬如きも喰わないわ この夜さえ喰らい尽くして 心一杯に満たして呉れないか 何も褪せていく前に 降るは俄か雨 吐き出してお仕舞いにして 左様ならも残さないで この私を夜半に溶かして! 愛くらいは今更もう要らないわ いつか褪せていく 「僕ら、どうせ死ぬのにさぁ」 孤月を夜空に透かして 心一杯に溶かして呉れないか 春も堕ちていく今日の夜は五月雨 月に夜を溶かした