あなたの海に名前をつけよう 息を止めても眠れるように 小さな舟で迎えにゆくよ 行き先はもう決めないでいて 張り付く袖をたくしあげては 優しく光る波を見ていた 靴の隙間に溜まる砂のせいで 境界線が曖昧になった だんだんと重くなる足取りを 振り切って、振り切って 煌々と光る月でさえ 届かない その場所へ 革命も届かない深海で あなたと泳ぐ、泳ぐ 本当の色なんて 誰にも教えなくていいよ 悲鳴も響かない深海で あなたと泳ぐ、泳ぐ 揺れた右手を掴んだ ただ、それだけの、光 潮風は少し速度を増して 汗ばむ背をそっと冷やした あなたのもとに辿りつくなら この暗闇も怖くはなかった 革命も届かない深海で あなたと泳ぐ、泳ぐ 本当の色なんてまだわかりやしない あなたその海に名前がつくなら それだけでわたしが泳ぐ 理由になるから 革命も届かないこの場所で わたしは歌う、歌う 海岸線の先にあなたの心があるなら 出口もわからない深海を わたしは泳ぐ、泳ぐ 揺れた右手を掴んだ ただ、それだけの、光 ただ、それだけが、光