いずれ雨が降って 掠れてしまうのだろうな ここにある悲鳴も 魔法の名がついた空も 使い古された情景を もう一度ここに書いておこう 私が私であるうちに 間違ってしまう前に これまでのすべてを 否定されるような 呪いが今でも残っている身体に 些細な音や体温が 慰めになれるように あなたと同じ感情があること ここに残すよ ただ、忘れないでいる ただひとつ、祈りを捧げよう 未遂のあなたが手放せなかった 悲鳴や苦痛や、その匂いを 息をしているということ 拾ったあなたに映る景色は 時代や街のその匂いは? あなたの生涯を、私は知らない ただ 生き延び切ってしまった、 未遂のあなたへ 同じ感情があること 聞こえるか? ここに残すよ ただ、忘れないでいる ただひとつ、祈りを捧げよう 未遂のあなたが手放せなかった 優しく残酷なこの世界を 愛してしまうということ 忘れないから。 忘れないでいる、ただ あなたと同じ感情があること ここに残すよ