季節にはぐれて 羽はもう鳴らない 言葉はいつも ありふれた結末を 知っていたのに やぶれかぶれでここに生きている その場しのぎの その日暮しの 期待外れのおれの景色にも ちょっとばかりの夕日が射せば 寒い午後に思いがけず 縮こまってた羽が鳴る 知りもしない夕立が水を差す わずかに残した夏の日を笑う 子供の声が 生き延びたおれを刺す とどめの午後だ いつか見たものすれ違ったひと 心残りも切り売りながら 振り向けばほら痩せ細っていく ともし火の様な氷の様な 遠い過去に出番もなく 仕舞い込んだまがい物を 道の途中ばらばらに落っことす うまく手懐けた 借りものの言葉つぎはぎにして なけなしの夏の日を 暮らしてたのに うまく手懐けた 借りものの心なぐさめながら 季節にはぐれて 羽はもう鳴らない 日照りは過ぎて ありふれた結末を とどめの午後を 言葉はいつも 知っていたのに