今日からおれは旅に出る 返事も寄越さない 見過ごしたものは何かと きっと気付かせて 散らかった思いは 片付けたはずだった 妙な熱だった 胸に火照りだけひとつ残った 甘酸っぱいガムを嚙みながら 片方の腕を振り払った 淡い予感さえ葬るように 何遍も振り向いては 遠くに灯るオレンジ 人生が横たえてる 懐かしい部屋だ 何度も同じ夢を見て やっと目を醒ます そいつはただの嘘吐きで おれはかまわない 太陽は傾いてる じゃれつく風が変わったら 道中でまた何かを 思い出すだろうか 線路の下で夏を待つ じっと生き延びる 列車の弾むブルースに 刻まれながら いつかすれ違う誰かが きっと目を合わす 夕焼け名もない景色を そっと塗り替えて 見過ごしたものは何かと きっと気付かせて おれにわからせて