鍵を閉ざして 目立つ空席が埋まらぬように レコードかけて 長い沈黙を誤魔化すように 放り投げた冗談に ああ勘づいている 笑えない どしたのさ いつか来た道を辿って 影もない町を訪ねて まだ立ち止ってしまう 船は出るのに 汽車は動かない 胸が騒いでとても手に負えない 時にまかせて へばるTシャツと寝過ごしたまま 花を枯らして 残る窓辺に今日の風が吹いて 悪あがき草臥れて ああ許してゆく いまさら どうすりゃいい 針は錆びていま止った 過ぎた幾つもの時間が 海に飛び込んでゆく よく晴れた日は 雨になるだろう 同じ匂いの風が頬えぐる 壁飾り色あせて もう旅は終り おやすみ いい子だね いつか見る夢の途中で 会えばすぐに気を許して 上手く笑えんのか どうだろね いつか来た道はつづいて 春になれば花散らして まだここで生きていく あけない夜が やまない雨が けむりになって空へ還ってく